僕が子供の頃から現在にいたるまで、10回くらい引っ越しをしてきました。
なかなか寝付けない時なんかに手頃なものを1つ。
特に子供の頃に引っ越しを経験した方には、結構面白いと思います。

当時住んでいた家は流石に覚えていると思う。
学校までの通学路も…アレ意外と忘れ無いものですね。
なので、頭の中の時計の針を小学生くらいまでに戻してみよう。

記憶の中の家を出て、右でも左でも好きな方へズンズン進む。
景色をどれくらい覚えてます?
少し時間は掛かるかもですが、記憶を辿っていくと細かいディテールまで思い出せる部分も多いんじゃないかな。
数カ所を思い出すと、その周辺も連れてクリアになってくるかと。
そんな感じで行けるところまで、東西南北全て歩き回ってみて下さいな。

僕は小学生の頃住んでいた所でやってみました。
見事に全ての箇所で壁にぶち当たった。
今考えてみると、何と行動範囲の狭い事か…。
そして、その壁(みたいなもの)は、何となく映像で浮かぶのだけれども、もっと奥まで道は続いていながら…それ以上は進めないみたいな事になってます。

1つは川の上の橋を越えて、その先がカーブになっているのだけれども僕はそのカーブまでは辿り着けない。それまでの順路はわりと鮮明だし、空もしっかり思い出せるし、音もまあまあ再現出来てる。
確かに、これまで生きてきた経験で脳内で勝手に補正は掛かっているかもですが、それでも、リアリティは感じるくらいには確信は持てるレベルです。
それが…あの見えない壁みたいな先でプッツリと途絶えてますね。

1つは坂。
上り坂のスタート地点までは行けるし、上を見上げれば坂の頂点もおぼろげながら見えてる。
勾配がきつくて頂上までの距離もそれなりある、しっかりした坂。
でも多分、その坂を登った事が無いのでしょうね、それ以上は進めませんでした。
当時は気の良い犬を飼っていて、よく散歩で坂の下の公園に行って遊んでいたのに、一緒にその坂を登った記憶が無いな。

1つは線路。
小さい山まで行って、更に獣道的な中を進むとちょっと開けた場所にでます。
背の高い雑草で前は見辛いし、湿地帯的な箇所も多くあって、そこを抜けると単線の線路がある。
何回か行った事はあるのだけれども、1回も電車見た事無かったな。
その線路は覚えていても、頭を上げてその先の景色が全く見えない。
空っぽいのが見えるような気がするけど、多分これは勝手に後から付け足したっぽい空な感。
なので…その線路の向こうがぽっかり何も無いシュールな絵となってます。今。
この頭の中の映像をそのまま出力してお見せ出来たらなぁ。
ちょっと凄い景色なのですが、んー、残念です。

と、全部を書いていたらキリが無い。
この遊びは…ある一定期間を過ごして、完全に自分の記憶の中だけの場所を持っている方だけの特権ですね。
生きている間に2度と行く事も無いだろうし、Googleマップで確認しようとも思わない。
永遠に僕の中だけの世界です。